映像の長距離伝送(HD-SDIケーブル延長)
昨年の全国高等学校総合文化祭(文化部のインターハイ)は富山で行われました。
その放送部門の発表会は、私たち富山県内の放送部員で運営しました。
実は、このTECH DIARYに発表している技術は、そのために開発したものや、その後の改良がほとんどです。 さて、その「高総文祭とやま」の放送部門で、会場(富山国際会議場)でホール外へのモニタへの中継用に使った技術の公開です。
先催県(福島※)まではSD収録のため、RF伝送を行っていまいした。 ホール内の収録機材からホール外の複数台モニタへ出力するためには、かなり長距離伝送しなければいけません。
富山からはHD化ということでRF伝送は難しい。というより大変高価な機材が必要です。
ただし、本校ではその機材の準備をしていたのだが・・・その件は後日。
いろいろ検討の末、富山ではHD-SDI伝送をすることになりました。
ただしHD-SDIは約100mしか伝送できません。 会場の都合でホールから外に出すときに、200m近く必要。しかもそのあと複数台のモニタへ信号の分配をしなけれなりませんでした。
一般的に、SDIを延長する場合リクロッカという装置が必要です。
そこでBMD社のミニコンバータ「SDI to HDMI」のブロック図を見ていた時、SDIのINとOUTの間にRe-Clockerという文字を発見。 http://www.blackmagicdesign.com/media/138919/miniconvertersditoanalog.png
そこで、BMD社に問い合わせると、確かにINーOUT間にリクロッカが存在すると言っていました。 IN-OUTでSDIの延長だけでなく、HDMIにも信号を出力するそうです。
という事は、SDIを「SDI to HDMI」で延長しながら HDMIで信号を落していき、また延長ということができるということです。
落していく信号は、家庭用のTVでも扱えるHDMI信号なので、すごく楽です。
当初は、SDIを分配して、それを一つ一つHDMIに変換という考えていたので、配線もコストも少なくすることができました。 BMD社に、「この方法で何台ぐらいつなげますか?」と聞いたところ。「やったことないので分かりませんが、5台以上つなげると思います。」と答えていただきました。
※福島大会は、震災のため放送部門は開催されませんでした。